この記事では、個人年金保険とは何かを解説するとともに、個人年金保険の種類やメリット・デメリットを紹介します。以下のオプションでは、個人年金保険、個人年金保険の種類とそのメリットとデメリットについて説明します。
老後のことを考えた時に、今のうちから生活資金の準備を進めておきたい、将来はお金に困らず安心して過ごしたいと思う方も多いかもしれません。老後に向けて今から計画的に準備する方法の一つとして個人年金保険があります。この記事では、個人年金保険とは何かを解説するとともに、個人年金保険の種類やメリット・デメリットを紹介します。
個人年金保険とは?
個人年金保険は、老後の生活資金にゆとりをもちたいと考えている人に向いている保険です。
公的年金に上乗せして準備できる私的年金であり、加入の義務はありません。
個人年金保険は、契約時に定めた年齢まで保険料を支払い、支払った保険料に応じた金額を受け取る仕組みです。
個人年金保険に加入していれば、老後にもらう厚生年金や国民年金などの公的年金や、企業年金では賄えなかった場合の不足分を補うことが可能です。つまり、個人年金保険によって、老後に不足するかもしれない生活資金を準備することができます。
個人年金保険は年金の「受取期間」で3種類、支払う保険料の「運用方法」によって2種類に分類されます。
受取期間による分類
個人年金保険は年金の受取期間の違いによって、以下 3 種類に分類されます。
● 確定年金
● 有期年金
● 終身年金
それぞれの特徴は下図のとおりです。
確定年金 | 有期年金 | 終身年金 | |
---|---|---|---|
年金受取期間 | 契約時に定めた年数 | 契約時に定めた年数 | 生存している限り |
被保険者が死亡した場合 | 遺族が受取可能 | 遺族の受取不可※ | 遺族の受取不可※ |
※保証期間付で契約し、保証期間中に支払った金額が年金原資を超えない場合は、期間中の死亡で受取可能。
確定年金は、被保険者の生死に関係なく「契約時に定めた期間」で年金が受け取れます。被保険者が死亡した場合でも、遺族が受け取り可能です。
有期年金は、被保険者が生存している限り「契約時に定めた期間」で年金を受け取り可能な場合があります。年金受取期間中に被保険者が死亡すると、以後年金は受け取れません。ただし保証期間付の商品を契約した場合は、期間中の死亡で遺族が年金を受け取れます。
終身年金は、被保険者が生存している限り年金の受け取りが可能です。有期年金と同様、年金受取期間中に被保険者が死亡すると、以後年金は受け取れません。しかし保証期間付で契約した場合は、期間中の死亡で遺族に年金が支払われる場合があります。
運用方法による分類
個人年金保険は運用方法によって「定額個人年金保険」「変額個人年金保険」の2種類に分類されます。
種類 | 定額個人年金保険 | 変額個人年金保険 |
---|---|---|
年金額 | 決まっている | 変動する |
最低保証 | あり | なし |
両者の大きな違いは、将来に受け取る年金額と元本割れのリスクです。順番にくわしく解説していきます。
定額個人年金保険とは
契約時に決めた予定利率で支払った保険料が運用されるため、将来に受け取る年金額が確定している保険です。
予定利率とは、保険会社が契約者から支払われた保険料を元手に資産運用した際の利率を指します。また、保険種類ごとに予定利率は異なります。
受け取る年金額が決まっているため、将来の資金計画を立てやすく、安心感のある保険といえるでしょう。
変額個人年金保険とは
支払った保険料を元手に、保険会社が株式や債券などで資産運用を行うため、運用結果によって将来の年金受取額が変動する保険です。
定額個人年金保険とは違い将来受け取れる年金額は確定していないため、元本割れをするリスクはありますが、運用実績によっては受給額の増額が見込めます。
また、保険会社によって投資先は変わり、保険会社が発行するパンフレットやホームページで詳細な投資先の確認ができます。
個人年金保険と他の年金制度との違いは?
公的年金との違い
個人年金保険と公的年金の大きな違いのひとつが、「加入義務の有無」です。
公的年金は、日本国内に住んでいる「20歳以上60歳未満」のすべての人が加入する「国民年金保険」、会社員や公務員などが加入する「厚生年金保険」があり、いずれかの年金保険に加入する義務があります。
一方、個人年金保険は任意加入の保険であり、将来受け取る年金を補完する目的で加入します。
私的年金は必要?
現在の日本では少子高齢化や人口減少が進んでいます。今後納税者の減少、年金受給者の増加によって、公的年金等の支給額は減額される可能性もあります。
老後資金の準備には、私的年金の利用が選択肢のひとつであるといえるでしょう。
個人年金保険のメリット
個人年金保険には2つのメリットがあります。
● 将来の資金を計画的に貯められる
● 年末調整で所得控除を受けられる
順番に解説していきます。
将来の資金を計画的に貯められる
個人年金保険で払い込んだ保険料は貯金とは違い、簡単に引き出せません。もちろん解約はできますが、元本割れのリスクが伴います。
手続きの手間や元本割れのリスクを考えると引き出しにくいため、貯金が苦手な人でも計画的に資金準備ができるといえるでしょう。
所得控除を受けられる
定額個人年金保険で支払った保険料は「個人年金保険料」、変額個人年金保険で支払った保険料は「一般生命保険料」として、所得控除を受けられます。
定額個人年金保険料・変額個人年金保険料ともに、所得からの控除が可能です。
ただし、支払った保険料すべてが控除されるわけではなく、払い込んだ金額のうち一定の割合が控除されます。
太陽生命で個人年金保険の税制適格特約を利用するための条件は、以下のとおりになります。[注 5]
● 年金受取人が契約者またはその配偶者のいずれかである
● 保険料の払込期間が 10 年以上かつ定期的に行われる
● 年金支払開始日における年金受給者の年齢が、60 歳以上かつ年金支払期間が 10 年以上
● 年金受取人と被保険者が同一
税制適格を付加することで、個人年金保険料所得控除を適用することが可能となります。詳細については各保険会社の約款等をご覧ください。
個人年金保険のデメリット
計画的な資金準備や所得控除の面でメリットがある個人年金保険ですが、デメリットも2点あります。加入を検討する際は、以下のことをしっかり確認しておきましょう。
● 途中解約で元本割れする可能性がある
● インフレになると価値が減る
途中解約で元本割れする可能性がある
解約返戻金は払い込んだ保険料に応じて支払われるため、契約時に定めた払込期間の途中で解約すると、元本割れするリスクがあります。
個人年金保険に加入する際は、なるべく途中解約しなくて済むように、生活資金を確保できる保険料を選ぶとよいでしょう。
インフレになると価値が減る
定額個人年金保険の場合、年金受給額が契約時点で決まっているため、インフレが進むと、受給するお金の価値が減ってしまいます。
ただし、変額個人年金保険は、投資対象を自身で選べる場合もあるため、インフレへの対応の1つの方法になります。インフレが心配な場合は、変額個人年金保険も1つの手段として検討してみるのはいかがでしょうか。
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